1992年~1997年、スペインに留学。Escuela Superior de Canto de Madrid(マドリード国立声楽音楽院)で学び、マドリードの伝統芸能サルスエラと出会う。
帰国後、日本サルスエラ協会を旗揚げ。
スペイン歌曲の女王・柳貞子女史と、スペイン音楽の重鎮・濱田滋郎氏を顧問に迎え、サルスエラの本邦初演公演をプロデュース。
翻訳から日本語歌詞制作、脚本、衣装、舞踊振付、演出を手掛け、五作品を上演し、2005年「国際ロータリー財団100周年記念・専門職務奉仕賞」を受賞。
2011年、ホセ・カレーラス、テノール・コンサート「Zarzuela スペインの情熱と哀愁」(サントリーホール)では、プログラム解説を担当。
サルスエラ12作品の全ストーリー、歌曲、オーケストラ曲の解説及び、~サルスエラに魅せられて~と題した紹介文を執筆。
ほか、スペイン舞踊教室、スペイン料理、スペイン音楽講座の講師等、スペイン文化の紹介に携わっている。
横浜スペイン協会理事。日本サルスエラ協会代表。
- 2022.11.26 フィエスタ・デ・エスパーニャ2022
- 2022.08.28 イスパニカde“サルスエラ” 夏まつり行かナイト!
- 2022.06.18 清里スペイン音楽学校2022
- 2021.12.03 スペインのクリスマスソング「ビジャンシーコを歌おう!」
- 2021.12.03 サルスエラ日本初演「三賢者の日〜El Dia de Reyes〜」
- 2021.09.17 スペイン音楽学校2021
- 2021.07.28 横浜国際高校 夏休みサルスエラワークショップ
- 2021.03.16 サラマンカ大学日本文化週間2021 開会式&日本の歌ワークショップ
- 2021.03.10 インスティトゥト・セルバンテス東京 サルスエラ講座
- 2020.08.08 アートにエールを!東京プロジェクト出品作
- 2020.06.27 Zoom講座 イスパニカdeサルスエラやらナイト!
- 2020.03.01 スペイン遠征2020プレ公演 江戸版サルスエラ「聖パロマの夜祭り」
- 2020.03.01 スペイン遠征2020プレ公演 ミュージカル「りゅうの目のなみだ」
- 2020.03.01 スペイン遠征2020プレ公演「サルスエラ・ガラコンサート」
- 2019.12.01 サルスエラ「聖パロマの夜祭り〜江戸版〜」ブレトン作曲
- 2019.10.20 第6回 サルスエラ ランチセミナーは中止になりました。
- 2019.09.21 サルスエラ初演シリーズ 第6弾「水、カルメラ、焼酎」
- 2019.09.14 第27回 清里スペイン音楽祭
- 2019.08.08 りゅうの目のなみだ
- 2019.07.06 サルスエラ「人騒がせな娘」スペイン語公演
- 2019.05.26 サルスエラ講座 2019年間日程
- 2019.05.26 第5回 サルスエラ ランチセミナー
- 2019.02.10 第4回 サルスエラ ランチセミナー
- 2018.12.08 青山学院 横浜支部 クリスマスパーティー
- 2018.10.14 第3回 魅惑のスペイン音楽講座〜サルスエラとミュージカル〜
- 2018.09.22 サルスエラ講座〜横浜スペイン協会主催〜
- 2018.09.14 サルスエラ「人騒がせな娘〜La Revoltosa〜」日本初演・日本語上演
- 2018.07.16 魅惑のスペイン音楽講座 第2回 サルスエラとヴァイオリン
- 2018.07.07 サルスエラ「パロマの前夜祭」 La Verbena de la Paloma スペイン語上演
- 2018.05.13 🇪🇸魅惑のスペイン音楽 サルスエラ 3回連続講座 残り2席!
- 2018.04.02 絵本『さくらとロンダ 〜ある絵画家の夢〜』 企画制作:桜田ゆみ
- 2018.01.18 サルスエラ「パロマの前夜祭」 La Verbena de la Paloma
- 2017.10.18 日本・スペインシンポジウム出席 スペイン外務省共催
- 2017.10.15 日本サルスエラ協会再起動 ホームページ公開!
- 2017.09.09 満員御礼!サルでもわかるサルスエラ講座 ランチセミナー
- 2017.07.18 「誕生から350年 サルスエラ史〜究極のスペイン舞台芸術ここにあり!〜」戸塚スペイン協会夏期講座
- 2017.05.06 スペイン国王陛下 謁見の儀
- 2017.04.30 スペイン国王王妃両陛下・謁見に・・・
- 2016.07.14 スペイン大使館公演 サルスエラ『ルイサ・フェルナンダ』日本語訳詞・脚本・演出 桜田ゆみ
- 2015.11.29 横浜スペイン語センター創立20周年記念 サルスエラ上演
- 2015.11.28 スペイン“料理”サロン 開催 11/1より受付
- 2015.09.28 横浜スペイン協会 創立25周年記念行事 『わたしたちのスペイン展』開催
- 2015.04.12 『服部妙子 チェロ・リサイタルーアンダルシアの春ー』
- 2015.04.12 サルスエラ「ロンダに咲いた桜」
- 2015.04.12 新作サルスエラ『ロンダに咲いた桜 ―LOS CEREZOS de Ronda ―』(書き下ろし)
- 2014.12.19 横浜山手西洋館 スペインのクリスマス
- 2014.12.14 スペイン料理サロン開催=※受付終了!=
- 2014.09.13 満員御礼!スペインサロン『スペインが舞台の、オペラ!ミュージカル!!サルスエラ!!!』
- 2013.04.20 横浜スペイン協会主催 スペイン・サロン
- 2012.11.24 スペインサロン『スペイン料理を作って食べる会』横浜スペイン協会主催
- 2012.10.27 スペインサロン『フラメンコと私』横浜スペイン協会主催
- 2012.07.14 スペインサロン『日本とスペインの音楽 100年の歴史』ピアニスト&講師出演
- 2012.07.14 終了しました!スペインサロン『日本とスペインの音楽 100年の歴史』
- 2012.01.20 世界遺産写真展
- 2011.12.10 横浜スペイン協会「スペイン料理サロン」丸山久美先生
- 2011.12.02 プログラム桜田執筆/スペインの情熱と哀愁「ホセ・カレーラス」テノール・コンサート
- 2011.10.22 小松原庸子「わたしとスペイン50年」※中止になりました。
- 2010.12.03 スペイン童話音楽劇「バレンシアの妖精ナランヒータ」作・構成・出演
- 2010.06.19 サルスエラ朗読劇「アルハンブラ物語」脚本・演出・構成 桜田ゆみ
- 2009.09.23 音楽朗読劇「アルハンブラ物語」脚本・演出桜田ゆみ〜グラナダの王子とアランフェスの王女〜」
- 2004.09.06 本邦初演 サルスエラ「ラ・グランビア〜大通り〜」脚本・演出 桜田ゆみ(原作 La Granvia)
- 2004.09.06 本邦初演 サルスエラ「パロマの前夜祭」脚本・演出 桜田ゆみ(原作 La Berbena de la Palom
- 2003.09.08 本邦初演 サルスエラ「カセリオ亭〜山あいの人々〜」脚本・演出 桜田ゆみ(原作 El Caserio)
- 2002.09.18 本邦初演 サルスエラ「ラバピエスの理髪師」脚本・演出 桜田ゆみ(原作 El Barberillo de Lavapies)
- 2001.07.08 本邦初演 サルスエラ「ルイーザ」脚本・演出 桜田ゆみ(原作Luisa Fernanda)
サルスエラは、マドリードで生まれ育った歌入りの芝居です。劇中に歌われるロマンサ(アリア)は、スペイン情緒溢れた美しいメロディと、歌の節回しが特徴的です。 また、フラメンコを含むスペインの民族舞踊が織り込まれ、とても華やかな舞台構成になっています。 有名な三大テノールのプラシド・ドミンゴの両親もサルスエラ歌手でした。 国の伝統的な大衆民族劇なので、子供からお年寄りまで、皆メロディを口ずさめたり、家族全員がサルスエラ歌手という家庭も珍しくありません。 私は、1992年より声楽とオペラを学ぶためにスペインに留学しましたが、音楽院で師事した教授がサルスエラ歌手兼、演出家だったため、サルスエラに深く関わるようになりました。 帰国後、神田岩本町にあるオペラサロン・トナカイの故早川正一オーナーの薦めで、サルスエラ本邦初演公演の全曲訳詞上演を手掛けることになり、日本サルスエラ協会を旗揚げし、構想から本番まで一年かけて、準備に取りかかりました。 毎年に一演目ずつ行った初演公演は、全五作品。2005年~2009年の活動休止期間を経て、2010年に元スペイン駐在大使の林屋永吉氏、横浜スペイン協会、日本サラマンカ大学友の会、 日本・カタルーニャ友好親善協会、セルバンテス文化センター東京、ほか多くの方々のご協力のもと、サルスエラの舞台創りを再開しました。 同時にスペインの童話を、有名なスペイン音楽とサルスエラの名曲で綴る、気軽に楽しめる音楽劇の上演も行うようになりました。
サルスエラは、オペレッタの形式をとったスペインの伝統的な舞台芸術です。歴史は古く、17世紀から始まりました。 その昔、サルスエラという名の植物(野いばら)がたくさん咲いている王様の離宮“サルスエラ宮殿”で上演されていた歌芝居がもとであることから、サルスエラと呼ばれるようになりました。 スペイン国内、特にマドリードを中心に、たくさんの楽しい作品が受け継がれてきました。 劇中の歌は、スペイン独特の節回しが織り込まれた民謡調のものから風刺歌、オペラチックなものまであり、近年ではアメリカの諸劇場の公演、プラシド・ドミンゴ氏プロデュースによるミラノ・スカラ座公演も行われました。 日本では桜田ゆみ(発足当初の名は島田ユミ子)が旗揚げした、日本サルスエラ協会によって本邦初演が行われ、訳詞上演とスペイン語圏以外での公演初、という歴史的第一歩を飾りました。 歌と芝居とスペイン舞踊で成り立つサルスエラは、他のどのジャンルとも異なり、独特な華やかさを放つ魅力的な古典芸能として、スペイン本国で今も愛され、上演され続けています。
◇17世紀のサルスエラ
初期は歌の部分が少なく、演劇主体の舞台でした。また例外を除いては「二幕もの」のスタイルの作品が主流でした。
この頃は台本の重要性が高く、劇場の名前にも台本作家の名がつけられた程。現在これらの作品の音楽は、殆ど残っていません。
■カルデロン台本「魔女のいる沖」「アポロの月桂樹」など
◇18世紀のサルスエラ
この頃からコミカルなサルスエラが生まれました。しかし、この後19世紀に入ると、イタリアオペラの人気におされ、サルスエラは次第に衰退していくことになるのです。
■デ・イタ作曲 クルス台本「バリュカスの麦刈り女たち」「ムルシアの農婦たち」
■ロザレス作曲 クルス台本「法律家ファルファーリア」
■エステーベ作曲 クルス台本「アランフェスの園丁」
■パラミノ作曲 クルス台本「宿の女主人」など
◇19世紀のサルスエラ
ヒット作がたくさん誕生しました。19世紀後半に差しかかる1840年頃から、その衰退を吹き飛ばすように、サルスエラを復興させる協会が設立され、
サルスエラ劇場も建てられました。ヘネロ・チーコと呼ばれる一幕もののサルスエラの人気が沸騰。
一時間程度で見られ、気軽に楽しめる大衆的な作品が多いからです。
サルスエラ歌手は歌うだけではなく、芝居も上手く、コメディセンスもあるので、舞台は大いに盛り上がりました。
■バルビエリ作曲「ラバピエスの理髪師」(2002年本邦初演)
■チュエカ作曲「水、カルメラ、焼酎」「大通り」(2004年本邦初演)
■ブレトン作曲「パロマの前夜祭」(2004年本邦初演)
■チャピ作曲「人騒がせな女」
■ヒメネス作曲「ルイス・アロンソの婚礼」
◇20世紀のサルスエラ
名作が続々と登場します。かつての単純な軽い大衆劇より、ドラマチックな台本が好まれるようになりました。
必ずしもハッピーエンドとは言えない物語も多くあります。
■モレノトローバ作曲「ルイサ・フェルナンダ」(2001年本邦初演)
■ゲレーロ作曲「サフランの花」「セビリヤの旅客」
■ヒメネス作曲「ラ・テンプラニーカ」
■チャピ作曲「一束のバラ」
■グリーディ作曲「エル・カセリオ」(2003年本邦初演)
■ビーベス作曲「ボエーム」「ドーニャ・フラシスキータ」
◇21世紀のサルスエラ
プラシド・ドミンゴ氏により、多くのサルスエラのCDの再録音が行われました。
ドミンゴのご両親はメキシコの劇場専属のサルスエラ歌手でした。彼がお腹の中にいた時に両親が共演したサルスエラは「マラビージャ」。
劇中の“さよならと君は言った”というロマンサを、ドミンゴはとても愛しています。
※下記の文は、2011年に行われたホセ・カレーラス、テノール・コンサート「Zarzuela スペインの情熱と哀愁」 (サントリーホール)で執筆した、プログラム解説の一部を改訂したものです。
◇サルスエラとは
サルスエラはマドリードで生まれた、歌付きの芝居が元になった、スペインの伝統的な舞台芸術です。
言うなれば、スペイン人が書いた、スペイン人による、スペイン人の為の、スペインの舞台です。
歌と舞踊とお芝居が一緒になったこの芸術は、地元、特にマドリードに根付いている文化の一つで、子供も大人も、皆メロディを口ずさんだりして、
一昔前までは、家族全員が“サルスエラ歌手”という家庭も珍しくありませんでした。
大衆演劇に近い物語の多くには、地域のお祭りや、下町の雰囲気がそのまま舞台に登場するので、スペインをとても身近に感じる事ができます。
劇中の音楽は、スペイン情緒溢れる美しいメロディや歌の節回しが特徴的で、そこにフラメンコやホタなどの民族舞踊が織り込まれ、
さらに台詞の掛け合いによるコミカルな場面が、観客を多いに沸かせ盛り上げてくれます。
民族衣装の効果も手伝い、サルスエラは他のどのジャンルとも異なった、独特な華やかさを放つ魅力的な舞台芸術として、
スペイン本国で今も愛され、上演され続けています。
◇サルスエラの花形歌手と演出
さて、サルスエラの華と言えば歌手。スペイン人の歌い手は、聴く者を魅了する声の持ち主が多い上に、パフォーマンス能力にも優れているので、
音楽と相まって演じるキャラクターが、舞台から飛び出してくる様な演出は、観客の心を捕らえ、諸外国のオペラ作曲家にも影響を与えたようでした。
例えば19世紀の作品で、バルビエリ作曲「ラバピエスの理髪師」のヒロイン、パロマという娘の登場シーンは、
ロマンサ(アリア)の前奏と同時に現れ、自己紹介の歌を歌います。
すると町の男達がコーラス部分を歌いながらパロマを取り囲み、彼女の人気振りを囃し立てて、オレッ!と声をかけるのですが、
この登場の仕方、どこかのオペラと似ていると思いませんか?そうです!フランスの作曲家ビゼーの書いた、オペラ「カルメン」の登場です。
ビゼーは、このサルスエラを見て非常に気に入り、カルメン登場の演出に取り入れたのではないかと言われています。
こうしたスペイン人らしい、持ち味を生かした華やかな演出が、演じる役を効果的に見せているのです。
◇サルスエラの楽しさと見どころ
サルスエラの楽しさは、そのストーリーにもあります。元が歌付きの芝居であることから、歌手と俳優が同じ割合で、重要なポジションを占めています。
つまり歌と台詞の部分が、ほぼ同じ分量で書かれているので、オペラにセリフが入ったものや、
普通のオペレッタだと思って見てしまうと、かなり台詞が多いなと感じてしまうでしょう。
しかし、それらの台詞の中に、日常会話で言われるスパニッシュ・ジョークや小話、習慣などのスペイン情緒が織り込まれていて、
こういう芝居の場面に観客は大爆笑となるのです。美しいロマンサも、この賑やかな部分があってこそ際立つのです。
また長ゼリフはアドリブかと思いきや、しっかり台本に書かれており、更に細かいジョークの指示まで記されているのには驚きます。
こうして、サービス精神が豊かで、コメディセンスにも優れている、エンターテイナーの歌手、俳優、ダンサーが一丸となって、
観客に笑いと感動を届ける舞台のエネルギーが素晴らしいのです。
“スペイン人は、踊りながら生まれてくる”と言われるくらいですから、この様な芸術が誕生するのも納得です。
明るくポジティブな、スペイン気質に溢れているサルスエラを見れば、本当のスペインを理解することが出来るでしょう。
◇歴史に伴った変化と発展
さてサルスエラは、年代を追うごとに少しずつ変化していきました。
まず17世紀初期は、王や貴族が楽しむ神話などが題材で、歌の部分が少なく演劇主体の作品でした。この頃は台本の重要性が高く、
劇場の名前にも台本作家の名がつけられた程です。
また例外を除いては「二幕もの」のスタイルが主流でした。残念ながら、現在はこれらの音楽は殆ど残っていません。
18世紀にはコミカルな作品が生まれ、19世紀にはヒット作がたくさん誕生し、ヘネロ・チーコと呼ばれる一幕もののサルスエラの人気が沸騰しました。
これは一時間程度で見られ、気軽に楽しめる大衆的な作品が多いからです。
20世紀には名作が続々と登場します。かつての単純な軽い大衆劇より、ドラマティックな台本が好まれるようになり、必ずしもハッピーエンドとは言えない作品も多くあります。
これらの作品のロマンサは、声楽の技術的にも難易度が高く、もはや一流のオペラ歌手が適役となる程で、
その音楽は世界的に見ても大変優れた芸術の域に価しています。
21世紀に入ると、スペイン本国ではCDの再録音も行われ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス、フアン・ディエゴ・フローレンスを初めとするスペイン出身の名歌手が、
サルスエラのロマンサを世界各地で紹介しています。
なお日本では、筆者が2001年に本邦初演を手掛け、スペイン語圏以外での最初の訳詞上演を行いました。
◇サルスエラ愛
さてスペインには、サルスエラの劇団が多数存在し、劇場公演から地方興行も行われています。
劇場といっても、正装し、事前に演目の学習をして観に行く、オペラとは異なり、家族や友人と気軽に楽しみ、
一緒に笑い、帰り道はテーマ・ソングを口ずさんで、バルでウナ・コパ!(ビールを一杯!)これぞ本場の楽しみ方、サルスエラ愛です。
おじいちゃんも、おばあちゃんも、パパもママも、昔口ずさんだ懐かしいメロディ…、思わず心がほっこりするサルスエラは、
スペイン人にとって、温かい家庭や地元の仲間を思い出す、安らぎの芸術でもあるのです
◇サルスエラの魔法
こうしてサルスエラに触れた方は、きっと“三つの魔法”にかけられることでしょう。
一曲聴けば「血“Sangre”」が騒ぎ、二曲聴けば「魂“Alma”」が震え、三曲聴けば「命“Vida”」がみなぎる…これが唯一のジャンル、
サルスエラのマジックです。そしてサルスエラの舞台を観た後は、自分もあのスペイン女性の様な、メリハリのあるボディにエキゾチックな顔立ち、
魅力的な声を持っている様な気にさせられ、単純に明るく前向きになれるのです。
…街角のショーウィンドに映った自分の姿を見て、“生粋の大和撫子”であることに気付き、思わずガッカリ…ではありますが。
◇サルスエラ万歳!
兎にも角にも多くの方がサルスエラに魅了され、魔法にかけられることを期待し、またスペインと日本の文化交流が、
サルスエラによってさらに発展することを願ってやみません。
“スペインの天才”プラシド・ドミンゴ、“スペインの宝”ホセ・カレーラス、“スペインの星の王子様”、フアン・ディエゴ・フローレンス…、
彼らから届けられる珠玉のサルスエラの数々で、感動のひと時をご堪能頂きたく、ここに尊敬と讃美の心を持ってサルスエラをご紹介申し上げます。
!Viva España! !Vivan Las Zarzaulas!
■サルスエラ「ルイーザ」(原作ルイサ・フェルナンダ LUISA FERNANDA)
F.モレノトローバ作曲/ロメロ&フェルナンデス・シャウ台本/島田ユミ子(*)翻訳・脚本・演出
オペラサロン・トナカイ(2001年7月8日、10日本邦初演) カロリーナ役で出演。
■サルスエラ「ラバピエスの理髪師」(原作 EL BARBERILLO DE LAVAPIES)
A.・デ・ララバルビエリ作曲/L.マリアーノ・デ・ララ台本/島田ユミ子(*)翻訳・脚本・演出
オペラサロン・トナカイ(2002年9月18日、20日本邦初演) パロマ役で出演。
■サルスエラ「カセリオ亭~山あいの人々~」(原作 EL CASERIO)
J.グリーディ作曲/ロメロ&フェルナンデス・シャウ台本/島田ユミ子(*)翻訳・脚本・演出
オペラサロン・トナカイ(2003年9月8日、10日本邦初演)
スターシア役(原作役名はイノセンシア)で出演。
■サルスエラ「パロマの前夜祭」(原作 LA BERBENA DE LA PALOMA)
T.ブレトン作曲/島田ユミ子(*)翻訳・脚本・演出
オペラサロン・トナカイ(2004年9月6日、8日本邦初演) スサナ役で出演。
■サルスエラ「ラ・グランビア~大通り~」(原作 LA GRANVIA)
F.チュエカ&バルベルデ作曲/島田ユミ子(*)翻訳・脚本・演出
オペラサロン・トナカイ(2004年9月6日、8日本邦初演) エリセオ役で出演。
*2009年より島田ユミ子→桜田ゆみに改名